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2)対策への協力の現状
上記の対策は必ずしも、根本的な解決策とはいえないようだ。例えばミニ・バスを利用する旅行業者や個人客は依然として少なく、多くのバス・自家用車は旧来通りの運行を強行している(ミニ・バス会社の経営者)。旅行業者は、ミニ・バスシステムは客に対するサービスの低下ととられる懸念があるとし、「会社への信頼性と収入に悪影響がある」「他の旅行業者が導入したら、うちも導入するつもりだ」と考えているようだ(英国内で主催旅行を行っている日本の旅行業者)。
一方、日本の旅行業法が1996年4月に行った改正(旅程保障制度の導入)に伴い、確実に見学できる観光施設であるヒルトップは、旅行業者に歓迎される観光地となり、団体客のブッキングシステムによるコントロールは功を奏している。
3)「日本人観光客の制限」について
タイムズの記事に書かれたような、日本人観光客のみを対象とする制限を設けているか、という我々の問いに対し、ナショナル・トラストは「全くそのような話はない」と回答している。同様にヒルトップの管理者も、記事は事実無根であると回答している。
4)過去の対策における課題
ナショナル・トラストに指定されているヒルトップを中心とする湖水地方で、観光客数をいかにしてコントロールするか、という課題は、ナショナル・トラスト自身の「公開義務」とのジレンマにさらされている。その結果、解決策には常に賛否両論があり、根本的な対策は未だ見いだされておらず、常にいくつかの対策を組み合わせるという試行錯誤によって解決を試みている。現在は上記の チ△粒涜从?鯤森圓靴萄陵僂靴討い襪?「?チイ梁从?砲弔い討蓮∩隶特奮??藉愀玄圓了身櫃???譟⊆存修泙任忙?屬鰺廚垢襪箸澆蕕譴討い襦」
また、日本の旅行業者の意見に見られたように、旅行業者側にこれらの対策への協力体制が不足している。理由として、提案された対策は観光客へのサービスの低下を招くもの、と考えている旅行業者が多く、協力しやすいものではないことが考えられる。結果としてそのことが、この問題の解決を遅らせる原因となっている。

 

(4)日本人観光客の実態
1)日本人観光客の入込数
図−5に示されているように、日本人観光客がカンブリア地方の観光客数に占める割合は5%程度であり、決して多いとはいえない。さらにヒルトップに限ってみても、「ヒルトップへの東洋人観光客は95年は24%程度」(ヒルトップ管理者)とのことである。そもそも彼らにとっては「東洋人の国籍を見分けることは不可能」(ヒルトップ管理者)であるため、24%に占める日本人の割合は不明である。
記事の主張「1/4は日本人」の中の「日本人」を仮に「東洋人」に置き換えたとしても、残りの4分の3が欧米人であることを考えれば、数字の上からは「締め出し」を急務とする割合とは思えない。しかしながら、この4分の1を「多い」とみなすか否かについては、その訪問形態や訪問時期の集中度について、さらに分析した上で判断する必要があろう。ただし、ヒアリングにおいては、日本人観光客数を特別多い、ととらえている回答は得られなかった。
2)日本人の観光客の訪問形態
現地で観光客を受け入れている旅行業者5)へのヒアリングによれば、日本人観光客は「5〜9月にピーク」があり、多くは「53人乗りの大型バスで移動する、25〜35人の団体」である(日本の旅行業者)。客層は「あらゆる世代が訪れる。大型バスは

 

 

 

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